
特定非営利活動法人タイプティーは、2026年7月4日、児童向け生成AIサービス「ピースAI」において、1つのクラスを複数の教員で担当できる「複数担任機能」を追加しました。
これにより、複数の教員がピースAIを授業で活用する場合でも、児童に複数のアカウントを配布する必要がなくなり、1つのアカウントで継続的に学習に取り組みやすくなります。
あわせて、クラス管理や授業編集の権限を整理し、学校現場でのチーム運用と安全な活用を支援します。
発表の概要
特定非営利活動法人タイプティーは、2026年7月4日、学校現場での利用を想定した児童向け生成AIサービス「ピースAI」において、クラスを複数の教員で担当できる運用に対応するため、「複数担任機能」を追加しました。
これまでのピースAIでは、クラス担当は一人のみとなっており、様々な先生がそれぞれに活用したいと考えた場合に、子どもたちに対して複数のアカウントが配布され、負担になっていました。今回の機能追加では、クラスを作成した教員を「主担任」、あとから追加された協力教員を「副担任」として扱い、それぞれの役割に応じた操作権限を設定することで、子どもたちに配布されるアカウントが1つで済むようになりました。
これにより、クラスのアーカイブ、生徒アカウントの追加、担任の追加・削除といった重要な管理操作は主担任に限定しながら、授業内容の閲覧やチャット履歴の確認、フラグ付きメッセージへの対応などは、同じクラスを担当する教員間で共有できるようになります。
本機能は教師ロールを対象とした機能です。学校管理者の操作や管理画面について、今回の機能追加に伴う大きな変更はありません。
新機能・変更点について
今回追加した「複数担任機能」では、1つのクラスに複数の教員を担任として登録できるようになりました。クラスを作成した教員を「主担任」、主担任によってあとから追加された教員を「副担任」として扱い、それぞれの役割に応じて操作できる範囲を分けています。
主担任は、クラス全体の管理を担う教員として、生徒アカウントの追加、担任の追加・削除、クラスのアーカイブなどの操作を行うことができます。これらは、クラスの運用に大きく関わる操作であるため、主担任に限定しています。
副担任は、同じクラスを担当する教員として、授業一覧や授業詳細の閲覧、授業の複製、チャット履歴の確認、PDF出力、分析、フラグ付きメッセージの確認・解消などを行うことができます。クラスそのものの管理操作は制限されますが、授業での活用や児童の学習状況の確認に必要な情報にはアクセスできる設計です。
また、授業の編集・アーカイブについては、「その授業を作成した教員」が行うことを基本としています。これにより、複数の教員が同じクラスでピースAIを活用する場合でも、他の教員が作成した授業を誤って編集・削除してしまうことを防ぎやすくなります。
なお、授業の作成者がすでにクラスから外れている場合など、作成者による管理が難しいケースでは、主担任が代行して編集・アーカイブできる設計です。
教育現場での活用
学校現場では、担任だけでなく、専科教員、少人数指導の担当教員、支援に入る教員、学年内で教材を共有する教員など、複数の教員が同じ児童に関わる場面があります。生成AIを授業で活用する場合も、1人の教員だけでなく、複数の教員がそれぞれの教科や活動の中で活用したいというニーズがあります。
これまでのように、教員ごとに別々のクラスやアカウントを用意する運用では、児童が複数のアカウントを使い分ける必要があり、ログイン情報の管理や授業ごとの使い分けが負担になる場合がありました。
今回の機能追加により、児童は1つのアカウントを使いながら、複数の教員が同じクラス上でピースAIを活用できるようになります。たとえば、主担任がクラスと児童アカウントを管理し、副担任や専科教員が授業を作成して活用する、といった運用がしやすくなります。
これにより、児童にとってはログインやアカウント管理の負担が軽減され、教員にとってはクラスを共有しながら、それぞれの授業でピースAIを活用しやすくなります。
児童の学びへの広がり
児童が生成AIを活用する授業では、同じアカウントで継続的に学習に取り組めることが重要です。複数の教員が関わるたびに別々のアカウントを使う運用では、児童にとって分かりにくくなったり、学習の記録が分散したりする可能性があります。
「複数担任機能」により、児童は1つのアカウントでピースAIを利用しながら、複数の教員が用意した授業に取り組みやすくなります。これにより、授業ごとにログイン情報を切り替える必要が減り、児童は操作そのものではなく、AIとの対話や自分の考えを深める活動に集中しやすくなります。
また、児童のチャット履歴やフラグ付きメッセージを複数の教員で確認できることで、児童がどのような問いを立て、AIの回答をどのように受け止めているかを、より多面的に見守ることができます。授業中だけでなく、授業後の振り返りや支援にもつなげやすくなります。
ただし、AIの回答は常に正しいとは限りません。ピースAIの利用にあたっては、教員の管理下で活用し、AIの出力をそのまま正解とせず、児童が考えを深めるための材料として扱うことが重要です。
教員にとっての運用上の価値
今回の機能追加では、「児童のアカウントは1つに整理し、教員側で役割分担して活用する」という考え方を重視しています。
主担任は、クラスの作成や児童アカウントの管理、担任の追加・削除など、クラス全体の運用を管理します。一方で、副担任は、同じクラスの児童に対して授業を作成したり、授業内容やチャット履歴を確認したりすることができます。
これにより、主担任だけにピースAIの運用が集中するのではなく、学年内の教員や支援に関わる教員が、同じクラスを共有しながら活用できるようになります。たとえば、ある教員が作成した授業を別の教員が複製して使うこともできるため、校内での授業づくりの共有にもつながります。
一方で、授業の編集やアーカイブは、原則としてその授業を作成した教員のみが行います。これにより、教員間で授業を共有しながらも、誰が作成した授業なのか、誰が編集できるのかが明確になります。
クラス一覧画面では、担当している教員が一覧で表示され、主担任には「(主)」の表示が付きます。また、授業一覧画面には「作成者」列を追加し、どの授業を誰が作成したのかを確認しやすくしました。
これらの変更により、複数の教員が関わる授業運用において、児童のアカウント管理をシンプルに保ちながら、教員同士の役割分担と責任範囲を整理しやすくなります。
安全性と利用上の配慮
ピースAIは、児童が利用するサービスであるため、学校現場で安全に運用できることを重視しています。
今回の機能追加では、複数の教員が同じクラスに関わることを可能にしながら、すべての教員が同じ管理権限を持つのではなく、役割に応じて操作できる範囲を分けています。
クラスのアーカイブ、生徒アカウントの追加、担任の追加・削除といった重要な操作は主担任に限定しています。副担任には、授業の閲覧、授業の複製、チャット履歴の確認、フラグ付きメッセージの確認・解消など、児童の学びを支援するために必要な権限を付与しています。
また、授業の編集・アーカイブについても、原則として授業を作成した教員のみが行えるようにすることで、他の教員の授業を誤って変更してしまうことを防ぎやすくしています。あわせて、今回の機能追加と同時にいくつかの潜在的なセキュリティ上のリスクについて修正を行いました。
利用にあたっては、引き続き以下の点に配慮する必要があります。
- 児童の利用は教員の管理下で行うこと
- 氏名、住所、連絡先などの個人情報を入力しないこと
- 顔写真や氏名など、児童を特定できる情報の扱いに注意すること
- 著作権・肖像権に配慮すること
- AIの回答をそのまま正解とせず、教員の確認や児童同士の対話を通じて扱うこと
- 学校や自治体の方針に合わせて利用すること
提供開始日と利用料金について
「複数担任機能」は、2026年7月4日にリリースしました。すでに本番環境への反映および動作確認を完了しています。
ピースAIは、引き続き無料で利用できます。今回追加した「複数担任機能」についても、追加料金はありません。
今後について
今回の「複数担任機能」は、複数の教員で児童の学びを支える学校現場の実態に合わせ、ピースAIの運用をより安全で分かりやすくするための改修です。
今後は、学校管理者による主担任の交代・引き継ぎ機能など、異動や退職、校内体制の変更にも対応しやすい管理機能の検討を進めていきます。現時点では、クラス作成者が主担任として扱われる設計であり、主担任を別の教員へ変更する機能は今後の課題です。
タイプティーでは、学校現場での実際の運用に合わせて、教員が安心して使える管理機能と、児童が安全に学べる環境づくりを引き続き進めていきます。
ピースAIについて
ピースAIは、特定非営利活動法人タイプティーが開発・提供する、学校現場での利用を想定した児童向け生成AIサービスです。
名称には、子ども一人ひとりの学びを支える「piece」と、安心して使えるAIでありたいという「peace」の意味が込められています。公立小学校での利用を想定し、児童がAIと対話しながら学びを深められること、教員が授業の中で安全に運用できることを重視しています。
Type_Tについて
特定非営利活動法人タイプティーは、「子どもも先生もワクワクしながらプログラミング教育に取り組める国にする」を掲げ、教育現場に根ざしたICT活用、プログラミング教育、生成AI活用の支援に取り組んでいます。
お問い合わせ
本件に関するお問い合わせは、特定非営利活動法人タイプティーまでお願いいたします。
メール:info@typet.jp